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  • 2026/02/25          

    製造業の労災事例を要因別に5つ紹介!発生の主な原因と具体的な対策とは?

    製造業の労災にはどんな事例がある?

    事故が起きる前にどう対策すればいいのか知りたい!

    自社の作業者の安全意識を高めたい!

    製造業では危険を伴う作業が多いため、全業種の中でも労災が発生しやすい傾向にあります。

    労災は事例をもとにした対策が効果的ですが、どのような事例があり、どのように対策すればよいかわからない方も多いでしょう。

    そこで本記事では、製造業の労災事故の現状や実際に起きた事例について紹介します。

    労災を未然に防ぐための具体的な対策も解説しているので、現場の労災防止に向け、ぜひ参考にしてください。


    製造業の労災事故の現状

    製造業の労災事故の現状

    製造業では日々の作業にリスクが多く潜んでいるため、労災の発生件数も高水準にあります。

    厚生労働省の報告によると、令和6年の製造業の死傷者数は26,676人、うち死亡者数は142人と報告されています。

    (参考:令和6年の労働災害発生状況を公表|厚生労働省

    製造業の死亡災害は全業種の約19%を占めており、建設業に次いで2番目の発生数です。

    また、休業4日以上の死傷者数では全体の20%を占めるなど、業種別で最も多い結果となっています。

    製造業では「はさまれ・巻き込まれ」「墜落・転落」の事例が多く、適切な対策が求められています。



    製造業で実際に起きた労災事例

    製造業で実際に起きた労災事例

    労災を防止するには、実際に発生した事例をもとに対策すると効果的です。

    ここでは、厚生労働省が公表している、実際の労災事例について5つ紹介します。

    ーーーーー
    ・天井部の配管溶接中に墜落(墜落・転落)
    ・丸のこ盤への接触(切れ・こすれ)
    ・重量物の持ち上げによる身体的負荷(動作の反動・無理な動作)
    ・金型のメンテナンス中に発生した下敷き事故(激突)
    ・漏洩した有害物の吸入(危険物・有害物等)
    ーーーーー
    (参考:労働災害事例|厚生労働省


    天井部の配管溶接中に墜落(墜落・転落)


    天井部の配管溶接中に転落してしまった労災事例があります。

    足場に墜落防止措置がないことや、保護帽を着用させていなかったことから、墜落して頭部を強打し、死亡災害につながりました。

    本事例では安全管理者は配置されていたものの、作業前の指示や安全衛生教育が実施されていなかったことも要因です。

    高所作業を行う際は、法令に基づく手すりや作業床の設置、安全帯の使用徹底が必須です。

    臨時作業や非定常作業であっても手順確認とリスク共有を行い、現場の安全意識を高めることが事故防止に直結します。


    丸のこ盤への接触(切れ・こすれ)


    本事例は、接触防止装置が故障したまま使用したことで、作業者が丸のこ盤ののこ歯に接触して死亡した労災です。

    木工用装置でアルミ板を切断するという不適切な作業に加え、作業手順の確認や安全指示が行われておらずに労災が発生しました。

    機械の選定や安全装置の整備、正しい作業計画の立案や教育の実施は、労災を防ぐための基本です。

    汎用機械を使う際は、素材との適合性を確認し、安全装置が正常に作動するかを点検したうえで作業する必要があります。


    重量物の持ち上げによる身体的負荷(動作の反動・無理な動作)


    重量物を中腰姿勢で持ち上げて腰を痛めることも、製造業ではよく見られる労災です。

    本事例では、台車やリフターなどの補助機器を使わず、人力で重量物を持ち上げたことが原因で発生しています。

    重量物の運搬を人力で扱う際は、作業姿勢・人数・取り扱い基準を考慮したうえで作業する必要があります。

    また、腰への負担を軽減するために、アシストスーツの活用や定期的な休憩も有効です。

    工場での作業における腰痛対策は、「【製造業】工場での腰痛対策5選!必要性や効果を高めるポイントとは?の記事も参考にしてみてください。

    https://daydo.jp/2026/01/factory-back-pain-prevention



    金型のメンテナンス中に発生した下敷き事故(激突)


    金型のピン抜き作業中、本来使うべきクレーンを使わず不安定な状態で作業を行った結果、作業者が金型の下敷きとなった労災です。

    非定常作業であったため作業手順が標準化されておらず、作業が個人の判断に委ねられていたことが労災の原因です。

    また、安全教育も行われておらず、金型の重量や支え方のリスクについて作業員の理解が不十分だった点も原因として挙げられます。

    非定常作業であっても、作業手順の標準化や安全教育の実施など、適切な対策が求められます。



    漏洩した有害物の吸入(危険物・有害物等)


    稼働中の反応器のバルブを誤って開放したことで有害なアンモニアが漏洩し、作業員4人が体調不良を訴えた労災事例があります。

    稼働中と停止予定の反応機の操作部が明確に区別されておらず、誤操作を招きやすい構造が原因とされています。

    また、漏洩時の保護具着用や緊急対応マニュアルも整備されていなかったことも、労災につながった要因です。

    誤操作防止には、構造の見直しや「開放禁止」などの表示、保護具の使用と言った対策が求められます。


    製造業で労災が発生する主な原因

    製造業で労災が発生する主な原因

    労災を防止するには、実際に製造業で発生する労災の原因を押さえておくことが重要です。

    ここでは、製造業での主な労災発生原因について、以下の4つを解説します。

    ーーーーー
    ・作業環境の不備
    ・機械・設備の安全対策不足
    ・安全ルールの整備や教育の不足
    ・作業者の不注意
    ーーーーー


    作業環境の不備


    作業環境の不備は不安全状態を引き起こし、労災リスクを高めます。

    通路や作業スペースが整理整頓されていないと、転倒や衝突などの事故が発生しやすくなります。

    また、照度不足による作業環境の暗さや老朽化した設備、傷んだ床面なども不安全状態につながる要因です。

    安全な作業環境を整備することは、労災を防止するうえで基本的な対策となります。


    機械・設備の安全対策不足


    老朽化や不具合のある機械・設備を放置すると、突発的な故障や誤作動によって作業者が巻き込まれるリスクが高まります。

    特に安全装置が付いていない、または無効化されている状態で労災の発生を防止できません。

    また、定期点検やメンテナンスが形骸化していると、危険な状態の発見が遅れ、重大な労災につながる可能性が高まります。


    安全ルールの整備や教育の不足


    安全ルールの整備と教育が不十分だと、作業員が作業手順やリスクを正しく理解できず、労災が発生しやすくなります。

    新入社員や外国人労働者が多い現場では、経験不足や言語の壁が要因となり、労災につながるケースも珍しくありません。

    また、ルールを知っていても守らない状態が放置されると、ルールが整備されていても労災につながる可能性が高まります。

    労災を防ぐにはルールの周知だけでなく、「ルールを守らなければどのような危険が生じるか」を含めて教育する必要があります。



    作業者の不注意


    作業者の不注意も、製造業における労災の代表的な原因の1つです。

    作業に慣れると「自分は大丈夫」という思い込みから、安全確認を怠りやすくなります。

    たとえば、効率を優先して作業手順を省略すると、重大なヒューマンエラーや品質トラブルを引き起こすリスクがあります。

    また、疲労や体調不良による注意力の低下によっても労災の発生率は高まります。

    時間帯や体調、作業環境によって集中力は低下しやすくなるため、定期的な休憩やチーム内での声掛けなどで対策しましょう。


    製造業で労災を防ぐための具体的な対策

    製造業で労災を防ぐための具体的な対策

    製造業での労災を防ぐには、事前の対策が重要です。

    労災防止に効果的な対策について、以下で5つ紹介します。

    ーーーーー
    ・リスクアセスメントの実施
    ・KYT・ヒヤリハット活動の習慣化
    ・5S活動による作業環境の改善
    ・設備の導入による作業の自動化
    ・定期的な安全教育の実施
    ーーーーー


    リスクアセスメントの実施


    リスクアセスメントは、職場に潜む危険を洗い出し、事故を未然防止するための安全対策です。

    リスクの種類・重大性・発生頻度を評価でき、結果に基づいて安全対策内容の設定や優先順位付けを行えます。

    定期的に実施・見直しすることで、作業環境の変化にも対応でき、安全レベルの維持・向上が可能です。

    リスクアセスメントは作業者だけでなく、管理者も積極的に参加し意見を出し合うことが重要です。



    KYT・ヒヤリハット活動の習慣化


    KYT(危険予知トレーニング)とヒヤリハット活動を定期的に実施すると、重大事故の兆候を早期に察知できます。

    ハインリッヒの法則によると、1件の重大災害の背景には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットが存在するとされています。

    そのため、軽微な事故とヒヤリハットの段階で対策することが、労災の防止には効果的です。

    KYTを実施すると、作業者に日常的な業務に潜む危険を意識付けでき、安全への感度を高められます。

    また、ヒヤリハット事例を共有することで、作業の標準化や注意喚起といった対策につなげられます。

    朝礼や定例ミーティングなどで共有を行い、職場全体の安全意識を底上げしていきましょう。




    5S活動による作業環境の改善


    労災は不安全な作業環境から発生するケースが多いため、職場環境の整備は労災対策につながります。

    職場の安全性を高めるには、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底が有効です。

    たとえば、整理整頓を徹底すれば不要物を排除でき、つまずきや転倒といったリスクを減らせます。

    また、清掃・清潔を意識することで、機械設備の異常や劣化を早期発見でき、労災だけでなく製品不良の防止にもつながります。

    さらに、躾を通じて5Sを習慣化すれば、安全ルールや手順を守る意識も高められ、継続的に対策を行えるでしょう。

    5Sは見た目だけでなく、安全で効率的な現場づくりに直結する重要な取り組みです。



    設備の導入による作業の自動化


    作業を自動化する設備の導入により、作業中の労災リスクを減らせます。

    人が直接作業する機会を減らすことで、接触・転倒・巻き込まれといった事故を未然に防げるからです。

    また、センサーやカメラを活用してデータを収集することで、危険箇所の可視化やデータ分析による作業環境の改善も行えます。

    さらに、老朽化した設備を更新することで、最新の安全対策を導入可能です。

    設備の導入は一時的なコストがかかるものの、長期的には労災防止や品質の安定化、人手不足対策としても有効な手段となります。

    なお、弊社では作業の自動化装置として、アルミ切断機を取り扱っております

    設備の導入は一時的なコストがかかるものの、長期的には労災防止や品質の安定化、人手不足対策としても有効な手段となります。


    定期的な安全教育の実施


    安全教育は、労災防止と職場全体の安全意識向上に不可欠な取り組みです。

    特に、新入社員の受け入れ時や新たな作業を始める際には必ず実施しましょう。

    また、1年に1度など計画的に実施することで、作業者の安全意識の向上にも役立ちます。

    職長や安全衛生責任者といった管理者層には、現場の安全を維持・指導するための知識や監督力を養う教育が求められます。


    製造業の労災事例をもとに防止できる環境を整えよう

    製造業の労災事例をもとに防止できる環境を整えよう

    製造業では、はさまれ・巻き込まれや墜落・転落など、命に関わる労災が多く発生しています。

    労災は過去の事例を通じて背景・原因を分析し、適切な対策を講じることで防止できます。

    労災防止対策として、リスクアセスメントや安全活動の実施、作業の自動化などが有効です。

    対策は一時的ではなく、継続的に行うことが現場の安全意識向上には不可欠です。

    労災事例を参考に、安心して働ける環境づくりを進めましょう。